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炭山 守男*
JNC TJ8400 2000-009, 138 Pages, 2000/02
本研究は、オーバーパックの候補材である炭素鋼の土壌中での長期腐食挙動の評価に資するため、淡水性粘土中に長期間埋設された水道管を堀上げ、その埋設土壌の環境と管体の腐食量を調査し、土壌埋設鋼材についての酸素還元反応律速型の腐食モデル(経験式)を作成してきた。この腐食モデル式の信頼性の向上に資する目的で国内外で実施された土壌埋設鋼材の長期腐食挙動に関する調査の一つとして、(財)日本簡易ガス協会で実施した埋設管の腐食データを使用した。その171試料の中から淡水性粘土に埋設されていた38路線の試料を抽出し、そのデータの腐食速度と土壌環境因子をまとめ、かつ極値統計手法によりオーバーパックの面積を再帰期間とし、最大孔食深さを求めた。それらの腐食量と土壌環境因子の相関解析を行い土壌環境因子と腐食量の関係を求めた。このデータを埋設水道管のデータに加え、極値統計解析の累積確率0.99の最大孔食深さの腐食モデルについて比較した。さらに、既往文献の研究結果を加えて極値統計解析の累積確率0.99最大孔食深さのデータを腐食モデルの式H=aYnと比較した。水道管と簡易ガス管の極値統計解析の累積確率0.99のデータは既往データと較べて妥当な値を示し、中性低溶存酸素環境の腐食モデルとして妥当であることが示された。本報告書は、日本鋼管工事株式会社が核燃料サイクル開発機構の委託により実施した研究成果に関するものである。